在这部音なき潮騒片中,福島第一原子力発電所から20km圏内、福島県南相馬市小高区。そこに住む神主・西山典友さんの生活にスポットを当てたドキュメンタリー。2011年、東日本大震災に伴う原子力発電所の事故により、帰還困難区域に指定され、小高区の住民は強制避難を余儀なくされた。避難解除後も家に戻らぬ人が多い中、西山さんは小高に戻ってくる。古来から自然と深い関わりを持ち、600年以上の時の中で受け継がれてきた日鷲神社。この町がどんな状態になろうとも、この神社に居続け、守り続ける堅い意思が西山さんにはあった。西山さんのその堅い意思の理由、そして、彼の経験が、現代に生きる我々に問いかけるものとは。原子力発電所事故以来、「悲しみ」の場所として伝えられることが多かった”福島”。一人の神主の生活を通してみると、そこに新たな"福島"が見えてくる。津波、原発、そして、神社。関係ないように思えるものが次第にひとつにつながっていく。